■いいコト見っけ!アレ・コレ・呉 (5)
KU!Re?呉楽部〈呉TMOメルマガ〉第14号(2005/01/27発行)掲載

「フライケーキ」と言えば、呉の甘味ベスト5に入るだろう名物。そして、やっぱりお店は福住でしょうか。

でも、私が初めて「フライケーキ」と出会ったのは、広島市の映画館だったのです。今回は呉の話ではありませんが、少しだけ、私の思い出話にお付き合いくださいますか。

それは、今を去ること20余年前。その頃、さとは映画大好きピチピチ(死語)女子大生でした(…年がバレるなぁ(笑))。よく通ったのは、八丁堀に ある広島東映。今は東急ハンズのある場所に、1・2階には邦画系の東映、地下には洋画系の東映パラスがありました。昭和30年代に建てられたという貫祿あ る劇場建物の入り口すぐ横に、フライケーキを売るそのお店は入っていたのです。
名前は確か「ナカムラ」
他にソフトクリームやジュース、お弁当も売っていたように記憶しています。

「フライケーキ? ケーキを揚げるの? まさかね。」と、島根の田舎から出てきたばかりの物知らずの私は思ったものです。
買ってみたら「揚げドーナツ」 な~んだと思うと同時に「フライケーキ」という名前の軽やかな楽しい響きに親しみを感じたのを覚えています。

その頃の映画館の売店で売っている食べ物と言えば、
「すこんぶ」「スルメ」「豆菓子」「アーモンドチョコ」「ビスケット」「かっぱえびせん(さすが広島)」「あんパン・クリームパン」
という感じ。
もうちょっとお腹に溜まるものが欲しいなぁという気分の時には、入り口で買って入る「フライケーキ」はちょうど良い感じだったのかも。
アンデルセンの「陳さんの蒸しパン(ビッグサイズ)」を持ち込んで、ちびちび齧(かじ)りながら、古いディズニー映画を2回3回繰り返し見たことも。ビデ オもそんなに普及してなくて、 WOWOWやCSもまだ無く、見たい映画をじっくり見るには、映画館に長居するのが唯一の手段だった時代です。

広島東映・東映パラスは、10年程前に建て替えられて東急ハンズになり、その最上階に今はあります。パラスはルーブルと名前も変わりました。「ナカムラ」はもう入っていないのでしょう。
近頃いろいろできた「シネコン(シネマコンプレックス)」は、必ず座れるのは良いけれど1回だけしか見られないのがちょっと残念。もっとも、私も最近は、 映画館に行ってまで、1本の映画を1日に何回も見る根性は無くなってしまいました。そういう映画は DVD買っちゃいますしね。

かつての、長居して映画に没頭した時間と、その時に食べた物を思い出すと、今も不思議と当時の劇場の情景が鮮やかに目に浮かびます。
呉に「フライケーキ」があると知った時、一番最初に私の頭に浮かんだのは、懐かしい東映劇場入り口の風景なのでした。

みなさんにも、映画館と食べ物の思い出、ありますか?