6つめ:『木偏に春』と書いて・・・
■いいコト見っけ!アレ・コレ・呉 (6)
KU!Re?呉楽部〈呉TMOメルマガ〉第16号(2005/03/24発行)掲載
桜の開花日が気になる季節になってきましたね。
この冬はずいぶんおかしな気候でした。でも、いよいよ待ちに待った春がやって来ます!
春の花と言えば、メルマガ前号「みんなのまわりのちょこっと話」でtakakoちゃんが書いていたように、一番はやはり『桜』ですね。
だけど、春の木、つまり『木偏に春』と書く漢字は・・・。
そう『椿』呉市の花です。
椿の花は冬から初春に咲く花ですが、桜がその華やかさや散り際の潔い美しさで人の心を捉えるのに対し、雪や寒風のさなかに美しく咲く気品や生命力が、春を待ちわびる気持ちに強く刻まれるのかもしれません。
昨年3月末、広島市の比治山でお花見をした時に、終わって山を降りて行く途中、登山道の藪に2~3輪ひっそり咲いている赤い椿の花を見つけました。
山上の桜の華やかさと、その椿の静けさの、あまりに対照的なこと。
ついさっきまでお花見で大騒ぎしていたことがまるで夢だったかのように思われるほど、椿の花の印象はとても強いものでした。
呉市が発行するグラフ誌「みて☆くれ」
http://www.city.kure.hiroshima.jp/mitekure/mitekure.html
16号によると、椿が市民の花になったのは1972(昭和47)年、市制70周年記念事業の公募によるもので、しかも圧倒的大差で選ばれたとのこと。
ツバキ・サザンカを市町村の花木と制定する自治体で「全国椿サミット」というイベントも毎年開かれ、既に15回を数えているそうです。(呉市も第12回大会を2002年に開催)
中四国地方では、私の出身地である島根県松江市もそのひとつ。山口県萩市や、呉とのフェリー便のある松山市も椿を市の花としています。昴珈琲店にお邪魔した時、スタッフのお一人が松山出身で「松山もなんですよ。」と、にこやかに言われていました。
花の凛々しさと、椿油が取れるという実用面が、北から南まで、様々な土地で愛されているのですね。
この春、平成の大合併で、椿が市町村の花でなくなる土地もあるでしょう。
反対に、椿を新しい市町村の花として受け入れる土地も出てくるでしょう。
いつまでも『椿』が愛され、また新しく愛する人が増えることを祈る気持ちでいっぱいです。
余談になりますが。
実は、お茶の木も椿の仲間なのです。学名「カメリア・シネンシス」(中国大陸原産なので“中国のカメリア”という意味)中国茶も日本茶もインド・スリラン カの紅茶も、同じ「カメリア・シネンシス」の種類の木から取れる葉を使って作られます。大好きな美味しい中国茶が『椿』の仲間からできるなんて、ちょっと 嬉しいな。
お茶うけには、ここはやはり『椿まんじゅう』かしら。
(あ・・・食い気にオチてしまった(^^ゞ)