9つめ:ヤマト、大和

■いいコト見っけ!アレ・コレ・呉 (9)
KU!Re?呉楽部〈呉TMOメルマガ〉第22号(2005/09/22発行)掲載

「や ま と」

と聞いた瞬間、あなたはどんな文字をあてるでしょうか?
「倭」「大和」・・・あなたが30~40才代なら「ヤマト」かも。

「宇宙戦艦ヤマト」は昭和49年10月~翌年3月にTV放映されたSFアニメです。
異星人の攻撃で放射能汚染された地球上は既に人の住める状態になく、生き残った人類が避難した地下都市にも汚染は広がり、人類滅亡まであと1年。
そんな地球に、放射能除去装置があるとの銀河を超えた遠い宇宙からのメッセージ。同時に送られてきた光速を超えるワープ航法の設計図を元に、技術力の限り を尽くして作られたエンジンと無敵の波動砲を搭載し、地球を救うため宇宙に乗り出すのは・・・20世紀半ばに沈没して打ち捨てられたままの戦艦大和を改造 し生まれ変わった宇宙戦艦ヤマト。

毎週毎週、ヤマトに迫る絶体絶命の危機に、胸をドキドキさせてTVにしがみついていた子供たちの中に、私もいたのでした。
荒唐無稽と言われればそれまでで、子供心に私も「これは有り得ないよー」と笑った話もなきにしもあらず。
それでも、故郷・地球と愛する家族や恋人を救うため、ヤマトが命がけで敵の母星に辿り着き異星人を打ち破ったとき、そこに多くの一般人の暮らしていた街があとかたもない廃墟となって現れた光景には、胸をえぐられる思いがしたのでした。
どんなに残酷に見える敵にも、我々と同じように家族や恋人は居る。そして、彼らもまた、彼らの愛する者を守るために戦っていたのだと。

「愛」という、かけがえなく素晴らしく、人間が大切にしなければいけない気持ちは、実は“諸刃の剣”であることを胸に刻みつけていなければ、そし て、その上で「愛」を大切にしていかなければ、戦争というものは無くならないのかもしれないと、このアニメから教えられた気がしました。

その後、多くのTV続編や映画が作られ、日本アニメ代表作のひとつとなったヤマト。
そのヤマトの漫画原作者である松本零士先生も名誉館長を務める「大和ミュージアム」こと呉市海事歴史科学館は、今年4月23日に開館し、当初の年間来館者目標40万人を超える50万人目の入場者を、夏休み中の8月8日に迎えたそうです。
「兵器」である戦艦大和をメインに据えたミュージアムの存在には、反対を唱える人もいると聞きます。それもまた、ひとつの意見。技術もまた愛と同じように、常に“諸刃の剣”となり得る存在であり、「兵器」はその代表格だから。

けれども、私にとっての「宇宙戦艦ヤマト」と同じように、「大和ミュージアム」は、平和や愛や技術の素晴らしさを戒めと同時に訴える存在である、あって欲しいと思うのです。

10月10日には、シンポジウム『戦後60年「戦艦大和」を語る』も開催されるそうです。松本零士先生も来呉されるらしい・・・サインもらいに行っちゃおうかな~(←すぐ出るミーハー根性。今回はマジメなコラムなのに!)

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