台湾日々是香菜
− 2003/05/14(Wed) − [初出]「台湾旅行記」 2002/08/09(初版) 近未来プロジェクト発行
私事さとは、去年6月末に会社を退職してフラフラしておりました。そこへ、お誘い。
「台湾に行かない?」
うーん、いいかも。退職金もまだあるしな。再就職したら、そうそう海外旅行なんて行けないだろうし。
「行く〜」
実は、その前の年(二000年)の夏頃、台湾のお茶『凍頂烏龍茶』を買ったのがきっかけで、
単なる中国茶好きからハマリ道に踏み込みつつあったのです。
『凍頂烏龍茶』は、今でこそ、超有名な台湾中国茶ですが、その頃はまだブレイクし始めだったでしょうか、
香港経由で大陸中国茶ばかり買っていた私には、知らないお茶でした。
烏龍茶…と言えば、『鉄観音茶』など味がどっしりしていて手強そうな感じ、
缶やペットボトルのは苦くて渋くて不味くて、進んで茶葉を買って飲んでみようとは思っていなかったのです。
全然買ったことがない訳ではなかったけれど、どちらかと言えば敬遠、ほのぼのした白茶や、
まったりした黒茶(プーアル茶)などを好んで飲んでいました。
そんな私の無知な選り好みを、『凍頂烏龍茶』は、ガツン!とぶち壊してくれました。
「なんて爽やかなんだろう!
透きとおった綺麗な淡い黄緑色。
緑茶みたいな味。でも香りは全然違う!」
台湾の凍頂山の風が、一瞬、私の前を吹き抜けたのかもしれません。
今でこそ(勉強したので(笑))解るのですが、烏龍茶と言っても種類はたくさんあって、
発酵と焙煎度合で風味がかなり違います。『凍頂烏龍茶』は発酵も焙煎度合も比較的低いので、
当時の私の『烏龍茶』イメージを基準にするなら、緑茶のような印象でした。
「これも『烏龍茶』と言うのなら、
私が今まで『烏龍茶』と思って嫌っていた
茶色い汁は、いったい何だったんだ!」
現地に行けば、美味しいの貴重なの、いろいろあるに違いない。想像は膨らみます。
私より一足早く中国茶にハマっていた実家の妹から情報をいろいろ入手して。
そうだ、故宮博物院も丸一日かけて堪能しよう。
そして8月下旬、福岡空港発、台北経由、香港行きキャセイパシフィック機上の人になったのでした。
福岡〜台北フライト時間は、たったの2時間。広島〜博多の遅い『ひかり』と変わらないし、
『こだま』だったら台北の方が近い(笑)。もう国内旅行感覚。
到着した台北はとても暑かった。さすが太陽が真上から照る(北回帰線が通っている)国!
でも幸い(?)、その年の広島もべらぼーに暑かったので、想像していた程は暑さがこたえませんでした。
なかなかラッキー。
■台湾のシアワセ(その一) 食べ物が美味く安いこと。そして香菜!
夕食は、初日は夜市マニア半ちゃんの希望で『士林夜市』屋台。二日目は欣葉本店(台湾料理)。
三日目は『饒河観光夜市』屋台。昼食は、二日目は故宮博物院の食堂。三日目は圓山大飯店で飲茶。
台湾の料理は、素材の味がしっかりしていて何でも美味しい。特に菜っ葉類はとにかく美味しかった。
それは、屋台から有名料理店までどんなお店でも。(ただし、屋台だと調理が雑な場合もありますが)
そして、がんがん入る香菜!
私はネギやセリ、木の芽、スパイスなど、香りモノが大好き! 写真の麺を食べたお店で、
奥のドア(向こうは厨房?)からオバサンがでかいザルに入った刻み香菜を抱えて出て来た時には、
舞い上がっちゃいました。それは、まるでお好み焼き屋の刻みネギ!何だか懐かしい感じさえします。
香菜や八角など、個性の強い風味は嫌いな人が多いようだけど、私はもう嬉しくて嬉しくて、
あれこそが台湾の匂い、東南アジアの匂いです。
(写真左)香菜たっぷり魚団子1麺(約一二0円)@夜市
(写真右)豚角煮@欣葉本店(台湾料理)
八角がよく効いていて、香菜がピッタリ。
帰国してから、日本の角煮に香菜添えて食べてみたけど、ぜ〜んぜん合いませんでした(笑)。
(日本に帰って来て、新しくできたベトナム風料理の店で、
注文した麺料理に1本だけ入ってた香菜を見た時は、テーブルひっくり返すところでした(笑))
美味しいものが安くパクパク食べられるのは、人間の幸せの一番の基本かもしれません。
■台湾のシアワセ(その二) エネルギッシュに。ゆったりのんびりと。
台北の街には、エネルギーが溢れてる。
交通事情、特に交差点で我先に先頭を取ってスタートダッシュするスクーター軍団!
市場や屋台に溢れるフルーツ! 香腸(しまった食べ損ねてた)! 鶏肉! 香辛料! 点心類!
どこにでもある中古CD(唱片)屋!
よく喋ってどこまでもついて来るお土産の店員おぱちゃん。(←これは台湾でなくても居るかな?)
その一方で、ところどころにゆったりのんびりした時間が流れてる。
大通り沿いの最高級ホテルのすぐ裏手に静かな茶館が控えていたり、
麺のお店でおじいさんたちが寛いでいたりする。
動く(働く)時は、力一杯ダッシュで、休む時には、ゆったりのんびりと。
それって、意外とできていないのかも。ダラダラと働き、仕事を気にしつつ中途半端に休み、
「ストレスが溜まる〜」とか言い続けているような…。
めりはり付けて、しっかり生きること。そういう、幸せ。
(写真1・2)南門市場にて
(写真3)故宮博物院の茶館『三希堂』のお茶 (写真4)『竹裏館』のお茶
■台湾のシアワセ(その三) 当たり前のことを、ごく普通にする。
台湾の人は親切だ、と、よく本に書いてある。
私たちも、お店や屋台で日本語ができる人たちに助けられる場面を経験、
「確かに台湾の人は親切だなぁ、有り難いなぁ」と思っていたのです。
でも、饒河観光夜市の屋台で、
うっかり裏側から入ってしまったばかりにメニューがわからなくて困っていた時に助けてくれた、
日本人観光客連れのおねぇさんの一言に、シビレました。連れに向かって、一言。
「あなた、同じ日本人じゃないの。
助けてあげなさいよ!」
わざわざ親切にしている訳じゃなくて、「困っている人がいたら助ける」なんて当たり前のことなんだ。
それを実行するのもごく普通のこと。
麗しの島・台湾。
いつの日か、また・・・。
(写真)缶プーアル茶の路上看板。故宮博物院近くで。(この旅の変な写真No.1)
■リベンジ台湾■ …それは『茶三昧』!
さと@中国茶ハマリ道邁進中です。
台湾から帰った後に行き出した広島の茶藝館で「中国茶アドバイザー」の資格取得を目指して勉強中。
それにしても、オプショナルツアー『中国茶お点前体験』には、ダマされましたね。
あれで『体験』だなんて、片腹痛いわ〜。
今なら、私、いくらでもやってみせられるよ!
OPツアーに入ってるのなんて、結局、お土産を買わせるためのデモでしかないことは解るけど。
1日で、あそこへも行く、これも食べる…っていう忙しい行程だったから仕方ないんだろうけど、
もう少し時間を取って、せめて2種類くらい飲ませてくれれば…。
台湾の中国茶は美味しいのだから、ちゃんと紹介して、わかって買う客を増やした方が、
結局は良いと思うのだけど。
テーブルには2〜3種類のお茶を飾っているのに、1種類しか飲ませてくれないので、何度、
「他のは淹れてくれないの?」
と言おうと思ったことか…。
それから、『珍珠ミルクティ』
お茶の香りがあまりなくて、ミルクと甘味が強く、
タピオカの食感は面白いにしても流行るほど美味しいものでもないよと思ったけど、
初めて飲むのでこんなもんかなぁと。
でも最近、再び飲んで美味しいことが判りました。
店員さんに「やっぱりお店で飲まないと」と言われました。西門町のスタンドは、ミルクと砂糖入れ過ぎ!
ん?待て! 思い出せば、ちゃんとした茶荘・茶行(茶葉・茶器の販売店)に全然行ってないぞ!
次回行く時は、もう『お点前体験』なんかにゃ行かせません!
茶荘・茶行を巡るのぢゃ〜。茶業博物館にも行くのぢゃ〜。茶芸館で茶葉料理を食べるのぢゃ〜。
台湾中部のお茶産地がある山の中に泊まるのもいいなぁ〜。(あぁうっとり)
そうそう、台湾から帰国してから、妙に運がつき始めました。
仕事もすぐ決まるし、年が変わってからは爆忙。占い横丁で「来年は運気上昇」って言われたのは、
あながち間違ってないかも(笑)。とすると、「五二才で男性運急上昇」も…。(←おいおい)
■追記■
2002年10月 茶藝館で知り合った茶友と、
『台湾・中国茶三昧の旅』 を決行!
2003年 1月 中国茶文化協会(中国支部認定)中国茶アドバイザー3級を取得
2003年 5月 中国茶文化協会(本部認定)中国茶アドバイザー2級を取得(2003年1月20日 東京渋谷にて試験)
・・・いや〜、勢いってオソロシイっすねー。(^_^;